2009年08月25日

映画「ちゃんと伝える」を観た感想

★★★★「ちゃんと伝える」

きっと賛否両論あるだろうなーと思った。

AKIRAが素直すぎる好青年を演じていた。
父とぶつかることもできず、子どもの頃から押さえつけられてきたという雰囲気はあまりない。
父親が重い病気だからちゃんと向き合う気になったとは言っても、
病院へ毎日見舞いなんて、なかなかできないことだ。
話すこともなくなっちゃうし。
息子が職場をちょっと抜けてほんの短い時間でも顔を見せるなんて、
何よりうれしいことに違いない。

しかし息子も父親とまったく同じ病気にかかってしまう。
父が死ぬ前に「ちゃんと」親子関係を修復したかったのに、
自分の病気、人生、父親、母親、恋人との関係まで、
「ちゃんと」しなければならなくなった。

時間がない!

「オヤジ、先に死んでくれ」って言葉は過激過ぎるけど、
一刻も早く父に先に死んで欲しいと願うのは理解できる。
瀕死の父親が息子の葬式で喪主を務めるのは悲しすぎる。
自分が体力のあるうちに、父を送り出したいのだ。
父に自分が病気であることを悟られたくないのだ。
だから入院もしないのだ。
とにかく早く死んでもらわないといけない。

不思議なのは、父も息子も極めて元気そうに見えること。
敢えてそういう描き方をしたとしか思えない。
病状を描くと悲愴感が漂い過ぎてしまうからだろうか。
不自然な印象を与えるけど、そんなことまで丁寧に描いていたら、
またまた4時間とかの大作になっちゃったかも?

監督が自分の父親の死をきっかけに作ったという作品らしいから、
そんなテーマで4時間もの映画を撮ったら、
監督まであの世に行っちゃうほどマイってしまうと思う。

この映画はもっと短くてもよかった。
サラリを描く方がいいと思う。

かわいそうなのは残される人。
恋人ももちろんだけど、お母さんはあまりにも辛いだろう。
何故か、ほとんど目立たないけど。
そこを全く描いていないのも、やっぱり長くなっちゃうから?

あくまで「父と息子」の「ちゃんと」がメイン。それが大事。
園子温監督はこの映画で自分の「父との関係」を
ちゃんと消化しきってしまいたかったのかもしれない。
極めて個人的な感情だけど、「撮ろう」という原動力になった。
新しい描き方の原動力になった。
身内のことを客観的に捉えるのはなかなか難しい。
監督のお父さんは、実は全然違うタイプの人なのかもしれない。

らしくない作品だけど、ラストはやっぱり…! らしかったよ。
やはり普通の終わリ方はできなかったのね。
しかし、「やっぱり!」 がないと、普通すぎたかも。

こういうのは想像してなかったわ〜。 ビックリ。
嫌いな人もいるかもしれないけど、アタシはギリギリ許せた。
 
そこに至るまでが「お涙ちょうだい」を避け続けた描き方だっただけに、
それで素直に、アタシ泣いちゃったのでした。

【あらすじ】
(象のロケット『ちゃんと伝える』より引用)
地方都市のタウン誌編集部に勤める27歳の史郎は、仕事を抜け出してでも毎日必ず入院中の父を見舞う。 ずっと打ち解けられなかった厳格な父と初めて向き合い、「退院したら一緒に湖へ釣りに行こう。」そんな話も出るようになった。 しかし父の主治医に勧められ軽い気持ちで胃の検査を受けた史郎は、父と同じ病名を告げられる…。 ヒューマンドラマ。 ≪オヤジ、先に逝ってくれ。≫

posted by ミカ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(4) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ちゃんと伝える
Excerpt: 病床の父親を見舞うサラリーマンが、いつのまにか自分も病にかかり、それが 父親よりも早く死ぬことになるかもしれないほどの病と知り、残された時間を 父親や恋人らとどう接して生きていくべきか葛藤する様を..
Weblog: だらだら無気力ブログ
Tracked: 2009-08-27 02:31

「ちゃんと伝える」伝えるって、難しいね。
Excerpt:  EXILEのAKIRA映画初主演作、「ちゃんと伝える」(ギャガ・コミュニケーションズ)。最初タイトルを聞いたとき、『何の映画なのかな?どんな映画なのかな?』と思ってしまいましたが、映画を観ると..
Weblog: シネマ親父の“日々是妄言”
Tracked: 2009-08-30 15:49

園子温監督インタビュー:映画『ちゃんと伝える』について
Excerpt: 「ちゃんと伝える」は園子温監督が余命をテーマに描いた秀作である。余命を扱った日本映画は多いが、園監督らしいテイストもありながら、今までの作品である意味で一番開かれた作品ともいえる出来なので是非多くの人..
Weblog: INTRO
Tracked: 2009-09-01 09:59

「ちゃんと伝える」
Excerpt: 私にはちゃんと伝わらなかったかなぁ〜・・
Weblog: 心の栄養♪映画と英語のジョーク
Tracked: 2010-02-01 09:16
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